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タイトル |
ツー・ステップス! |
著者 |
梨屋 アリエ(作) |
出版社 |
岩崎書店 |
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十五分の休み時間になったとたん、今日もユキポは道具箱から長なわをとって、校庭に走り出していく。アイアイは大急ぎで机の上をかたづけて、コッコやわたしを待つ。
「わたしが、回すから」
まず先に、予約を入れる。みんな、なわを回すよりもとびたいから、私のポジションはすんなり決まる。わたしはタイミングが狂わないように、必死になってなわを回した。長なわとびって、なわの回し手の善し悪しが、かなり重要だと思う。とぶ人の呼吸に合わせて、リズムに乗って、いつも同じ場所になわが落ちるように回さなきゃいけない。みんなの記録をのばそうと、わたしひとりがんばっていたけれど、よそ見をしはじめたもう一人の回し手のさよちゃんの手から、なわのとってがスポット抜けて、連続とびは中断した。
「あーあ」「交替しよう。さよちゃんのほうはコッコがかわって。オノザはわたしがやる」
「つかれてないから、いいよ」
「オノザはまだぜんぜんとんでないじゃん」
アイアイにさっとなわを取られてしまった。わたしは、よい回し手だと自負している。回し方に文句は言われたことは、一度もない。でも、とぶほうは………。
長なわが回りはじめた。心臓が大きくドキンとした。わたしのせいで流れを止めたくない。へんなかっこうでとんでしまったり、転んで注目を浴びてしまったらどうしよう。恥ずかしい姿を人に見られるのは、絶対にいや。誰かに笑われたり、みんなをがっかりさせたくない。失敗するかもしれないことが、怖くてたまらない。
● 友だちに嫌われたくないと、自分が思っている気持ちをおさえこんで、無理して笑ってしまうことってありませんか?自分にうそをついて、みんなと仲良くしていたいという気持ちをもっていた主人公のオノザは仲良しのアイアイ、コッコ、ユキポと過ごしているうちに、それがずるいことだと感じ始めます。
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