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4年生の今月の本


ゆかいな床井くん タイトル ゆかいな床井くん
著者 戸森 しるこ
出版社 講談社
 

 床井くんは、六年生のクラスがえで、最初にとなりの席になった男の子だった。算数のノートに書かれた暦の名前を見て、
「名前の字、似てるな」
と、親しげに声をかけてきた。床井くんの下の名前は「歴」という。続けて床井くんは言った。
「さんけた?」
「みけたです。三ケ田暦」
「みけたか!じゃあミケだなっ」
なにそれ、猫みたい。でも、男の子からニックネームで呼ばれたのははじめてだった。
今日もとなりの席から床井くんが熱心に話しかけてくる。
「ミケはロングロングヘアーだよな」
四年生のときから、暦は一度も髪を切っていない。背中のまんなかあたりまで、長く伸びている。
「おれはロングロングアゴーだけどな」
「ぶっ」
暦は笑ってしまった。たしかに床井くんは、あごが平均よりもやや長いかもしれない。そういうことを自分で言うのは、勇気がいることだと暦は思う。床井くんはすごい。
「おっミケが笑った。今日はきっといいことがあるな」
 床井くんが笑いかけてくれたので、今日はすでにいいことがあったなと、暦は思った。
 

●六年生の暦と床井くんを中心に、クラスメイトとの学校でのやりとりをゆったり、やわらかく描き、だけど、友だちとの関係を振り返えさせられてしまうそんなちょっと心に刺さる場面もあります。1話ずつ完結しているので、読みやすいでしょう。

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