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> としばあちゃんのオムレツ作戦
タイトル | としばあちゃんのオムレツ作戦 | |
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著者 | 山口 節子 | |
出版社 | 岩崎書店 | |
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「四年生にもなって、たまごがわれないなんて、お気の毒ねえ」 としばあちゃんが、ためいきをついた。テーブルの上は、たまごの殻でいっぱい。そこらじゅうベトベトだ。ぼくの名前は、トチオ。この前の学級会で、オムレツコンテストをすることに決まったのが、悲劇の始まりだった。何とか、それまでにたまご割りだけでも、クリアしておかなくちゃ。とうとう、見かねたとしばあちゃんが、声を張り上げて言った。 「トチ、たまご割りの極意を伝授いたそう」 なんだか、さっきまでと顔つきが違う。 「極意その一。たまごに感謝の一礼をする。極意その二。たまごを軽くにぎり、肩の力、手首の力をぬく」 としばあちゃんは、ぼくが何を言ってもお構いなしだ。 ぼくは仕方なく、言われる通りにやってみた。コツン。 「あっ!」 たまごは、静かにボールの中に着地した。 「おみごと!」 としばあちゃんは、ふふっとわらった。 |