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4年生の今月の本


まんじゅうざむらい タイトル まんじゅうざむらい
著者 今江 祥智
出版社 解放出版社
 

 勘兵衛(かんべえ)は、生まれたときから、なににつけてもきまじめで、とにかくきちんとしていないとおちつかない性格でした。おしめのあてぐあいが少しちがっただけでも、ぶいぶい泣き出すのですから、母親も
「じぶんのことをなにさまだと思っているんだろうね。」
とあきれ顔です。

 成長してもこの勘兵衛の気性(きしょう)は変わらず、何につけても「ま四角」なのでした。しまいには、そうした気だてが顔にでたのか、顔までがきちんときったとうふみたいに「ま四角」になってしまいました。

  まじめな勘兵衛は、そのうち本もよむようになり、剣術(けんじゅつ)もならいはじめると、人いちばいのめりこんでいきました。勘兵衛は、めきめき剣のうで前をあげていきます。
しかし勘兵衛は、
「あれは“ひとかど”の者よ。」
とひとびとがそのうで前をたたえても、
「なになに、ひと“かど”とな。ははあ、わしは顔も四角いもので、かどが見えるんじゃろ。」
とのん気に思っていました。

 そんな勘兵衛が「おはぎ」と運命的な出会いをしたのは、おやじさまのそう式の時でした。おとむらいのあとで出された「おはぎ」という食べ物に勘兵衛はすっかり心をうばわれてしまったのです。(これは、いったいなんなのだ!)こんなうまいあまさははじめてでした。

  しかし、きまじめな勘兵衛のこと、今や「藩(はん)のほこり」のようにみられている自分が、こともあろうに、おやじどののとむらいのあとで、おはぎを全部たいらげるようなまねはできぬ、と思い、ぐっとこらえるのでした。

【  あまいものが大好きなのに、素直に言えない勘兵衛の様子が笑えます。表現が昔風で、少しむずかしいところもありますが、たまにはこんなお話を読んでみるのも面白いですよ。】

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