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4年生の今月の本


料理少年・オムレツ勝負Kタロー タイトル 料理少年・オムレツ勝負Kタロー
著者 令文 ヒロ子
出版社 講談社
 

 タカノヤマKタローは小学3年生で料理にめざめて以来独学で腕をみがき、家族も同級生もそのおいしさをみとめる「料理少年」である。そんなKタローの悩みは、弟のタマキチ(本名ひろし)が、料理にまったく興味(きょうみ)をしめさないことだ。一番カンタンで失敗のないカレー作りをさせたのに、タマキチはいつまでたっても玉ねぎの皮をむいている。

  そんな弟のタマネギ頭をにくらしく見つめるKタローだったが、いまのところは全てが順調だった。料理のひょうばんもいいし、クラス公認(こうにん)のガールフレンド、カマクラナオコとの仲も悪くない。

 ところがそんなある日、もう学校を卒業したはずのキクサカキクコがやって来た。「はげしく目にやきつく」ムラサキ色のドレスを着たビートたけし似のもとお料理クラブ部長は、Kタローにこう言った。

「わたしはムッシュウ・タカノヤマにもう一度チャレンジするために、料理を勉強してきたのよ。ちゃんとした先生も見つけたし。今度こそ、負けやしないわ」

 彼女は以前、料理対決で二回ともKタローに負けていた。Kタローを負かすため、なんとフランスまで料理修行に行ってきたのだという。

「前の勝負(しょうぶ)のとき、いったでしょう。本気で料理の勉強して、何度でも挑戦するって」

 あっけにとられるKタローのかわりにナオコが言った。 

「Kタローは、もう勝負せえへんって、いったやないの、あんたこそ忘れたの?」

 そのとき、三人のすぐうしろで高い声がひびいた。 

「タカノヤマくん、その挑戦(ちょうせん)は受けるべきだわ」

 それは同じクラスの田所(たどころ)ちなみだった。彼女の妹とタマキチがおなじ幼稚園にかよっていたのがきっかけでKタローの家に来たとき、クレープをごちそうした子だ。美人で明るくて男子にも女子にも人気のある彼女が、はっきりした声で言った。

「タカノヤマくんのすばらしいお料理をみんなに広く知らせるためにも、あたし、やってほしいわ」 
「そ、そうかな」 
「ちょっと、この子、だれやのん」

 ……さてさて、Kタローの料理対決のゆくえは? そして三人の恋のゆくえは?……

【 講談社の青い鳥文庫から出ているシリーズもの第2冊目です。ゆかいで個性的な登場人物たちのドタバタと、Kタローの創作料理がみどころですよ。「アハハ」と笑って読めるたのしい本です。】

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