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> 大どろぼうホッツェンプロッツ
タイトル | 大どろぼうホッツェンプロッツ | |
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著者 | プロイスラー | |
出版社 | 偕成社 | |
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カスパールのおばあさんのコーヒーひきはとくべつでした。カスパールと、友だちのゼッペルが、おばあさんの誕生日のおいわいにくれたものです。ハンドルをまわすと、おばあさんのだいすきな歌を演奏(えんそう)するのでした。 ところが、今日もコーヒーをひきはじめようとしたとき、とつぜん、庭のしげみの中で、カサカサ、ポキポキという音がして、あらあらしいさけび声がおこりました。 「そいつを、こっちへよこせ!」 目のまえに、黒いひげを、もじゃもじゃはやした、ものすごいかぎ鼻の男がたっていました。 赤いはねをさした、つばのひろいぼうしをかぶり、右手にはピストルをもっているのです……大どろぼうホッツェンプロッツです! このホッツェンプロッツがどんなにわるい人間であるか、新聞にでない日はありませんでした。だれもかれも、この男をひじょうにおそれていたのです。 「ハンドルをまわすと、歌を演奏(えんそう)するコーヒーひきが、おれもほしいんだ。」 おばあさんは、ふかいためいきをついて、しぶしぶ、コーヒーひきをわたしました。 カスパールとゼッペルは、ふたりでホッツェンプロッツをつかまえることに決めました。せっかくの日曜日なのに、おばあさんはコーヒーひきをとられたのがくやしくて、2人のためにケーキがやけなかったのです。生クリームをたっぷりのせたプラムケーキ! 2人は一週間も前から、ずっとケーキを楽しみにしてきたのに。 まず、2人はおばあさんの家の地下室から、ふるい、からっぽのジャガイモばこをとりだして、シャベルで白いすなをすくって、はこにいっぱいつめました。 「こんどは、この上にふただよ!」 ゼッペルは、くぎをかなづちで打ちだしました。そのすがたは、まるで、ジャガイモばこのふたの、くぎづけ国家試験(こっかしけん)でもうけている人のようでした。そしてカスパールが、赤い絵の具をふでにたっぷりつけ、とおくからでもはっきり見えるような大きな字で「黄金注意(おうごんちゅうい)!」とかきつけました。さいごに、はこを手車にのせ、はこの底(そこ)に小さなあなをあけました。 「明日の朝、ふたりで、はこをつんだまま車をおして、森にいくんだ。森では、ホッツェンプロッツがまちぶせている。あいつ、ぼくたちをみつけたら、はこにかいてある字をよんで、金がはいっているとおもうだろう。」
それは名案(めいあん)です! さあ、カスパールとゼッペルの作戦(さくせん)は、うまくいくのでしょうか? 【 極悪非道(ごくあくひどう)な大どろぼうだけど、ちょっとまぬけで、なんだかにくめないホッツェンプロッツ。この本のほかにも 『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』 『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』の2さつがあり、このお話がうまれたドイツだけでなく、ヨーロッパで広くよまれています。おいしそうなドイツ料理がたくさん出てくるところもすてきですね。(*校舎によっては貸し出しできるところもあります)】 |