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> 月夜にいらっしゃい
タイトル | 月夜にいらっしゃい | |
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著者 | 竹下 文子 | |
出版社 | 金の星社 | |
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みゆは、ふつうの女の子です。だけど、ひとつだけ、かわったくさがあるのです。それは……、お月さまを見るのが大すきなこと。空にきれいなお月さまをみつけると、じっとしていられなくなってしまうのです。 ママの話では、あかちゃんのころから、そうだったんだって。ぐずってなきやまないときも、だっこしてまどからお月さま見せると、うそみたいになきやんで、ごきげんになったんだって。よちよち歩きのころ、――まだ団地にひっこしてくるまえ、―― 月夜にひとりで庭に出て、そのままどんどん道を歩いていって、まいごになりかけたこともあったそうです。 「へんなところが、にたのねえ そう、じつはママにもみゆとおんなじくせがあるのです。お月さまを見ると、むちゅうになってしまうというくせが。ここの団地にひっこしてくるのだって、ママが心配したのは、やちんでも、部屋の広さでもなく、「月が見えるベランダがあるかどうか」でした。そして、パパが心配したのは、「七階のベランダからママが落っこちないかどうか」でした。 |