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> 魔女のルルーと時の魔法
タイトル | 魔女のルルーと時の魔法 | |
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著者 | 村山 早紀 | |
出版社 | ポプラ社 | |
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「風の丘」で、魔法のくすりを使って病気の人をなおすしごとをしていたルルー。彼女はある日、とおい町からやってきた一人の女の子カーリンと出会います。カーリンはお医者さんの卵で、ルルーから薬草の育て方や薬のつくりかたを習うために来たのだと言って、ルルーをおどろかせました。なぜって 「風の丘」 に来るためには、いくつもの森と荒野(こうや)をぬけなければなりません。それに魔女のルルーにだって大変な道のりを、カーリンは一人で歩いてきたというのです。薬草の見つけ方、町のくらし、遠い歴史のこと……、たくさんの話をするうちに、ルルーは男まさりでさっそうとしたカーリンのことが大すきになってしまいました。 あれこれと理由をつけて彼女をひきとめるルルーですが、そんなルルーを見てペルタがいいました。 けれどもルルーは自信をもっていました。 そう信じていたのに……。 ある日町へかいものに出かけたルルーは、カーリンのいとこがこんなことを話しているのをぐうぜん聞いてしまいます。 (カーリンが魔女の丘へいったのは家出(いえで)のついで。カーリンは魔女なんて信じてないし、きもちがわるいっていってたわ。でもうまくだまして友だちになれば、薬草のことをおしえてもらえるだろうからって。) ルルーは必死でカーリンのえがおを信じようとしました。でも、そうしようとすればするほど、すべてがうそだったような気がしてくるのです。ペルタがぼそりといいました。 すっかり絶望(ぜつぼう)してしまったルルーは「風の丘」をとびだし、とおくはなれた「南の森の街(まち)」 へとやってきます。その夜、街はお祭りでした。そのお祭りは、むかし、子どもの魔女が伝染病(でんせんびょう)から街をすくったという伝説(でんせつ)をたたえたものでした。すれちがう街の人たちはみんなしあわせそうにほほえみあいながらあるいて行きます。けれど、この街にいてもやっぱりルルーはひとりぼっちでした。 街はずれまで来たルルーは、そこで銀いろに光るうつくしい小川をみつけます。すっかりつかれきった彼女は、そのせせらぎを見つめながらぼんやりとつぶやきました。 【 みなさんも、友だちのきもちがわからなくて、もどかしい思いをしたことはありませんか? どんなにつらい思いをしても人間を信じたいとねがうルルーの切ないきもちに、きっと共感(きょうかん)できると思います。つまらない思いこみからおたがいをにくみあったり戦争をしたり、人間ってほんとにこまった生きものです。けれどやっぱり人間って、そんなにすてたものでもない。そうかんじさせてくれる人たちも、このお話にはとうじょうします。読みおわると胸があったかくなるすてきなお話です。ぜひ、よんでみてください。】 |