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> ママのおむこさん
タイトル | ママのおむこさん | |
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著者 | クリスティーネ・ネストリンガー | |
出版社 | 偕成社 | |
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スーは困っていました。とてもとても……。なぜかって? だってパパがとつぜん家を出ていってしまったんですもの! それもよりにもよって家族みんなで出かけたバカンスの最中(さいちゅう)に。あんまり怒りすぎてたおれそうになっているママと、スーと、姉のイーをおきざりにしたまま、パパはまるで散歩(さんぽ)にでも行くみたいにいなくなってしまったのです。ただ、パパが出ていってしまった原因は、ママとのケンカだということだけはわかっていました。 なにしろ4日間のバカンスのあいだじゅう、ずっとママたち2人はくだらないことでケンカばかりしていたんですから。思えばさいしょの海水浴(かいすいよく)からしてまずかったのかもしれません。 「なんてすてきなの、この海! 青い絹(きぬ)のようだわ」 するとそれに調子をあわせて、姉のイーまでもがおなじような口ぶりでえんえんと、やれあの雲はクリームみたいだとか、あそこにいる子どもたちは黒人みたいに日焼けしてる、とか言い出したものですから……。 こういう「詩的(してき)」なたとえがきらいなパパは、すっかりきげんを悪くしてしまいました。そして2人をからかって皮肉めいたことを言ううちに、腹をたてたママと大げんか。おまけに観光(かんこう)に行った先でスーが迷子になったのに、だれも気づかなかったことが2人のすれちがいを決定的なものにしてしまいました。 パパが家を出たあと、スーたちは、ママの実家でくらすことになりました。ところがママの実家にいるのは、女、女、女、おんなばかり! しかもママのママ、つまりスーのおばあさんにあたる人が、とんでもなくがんこでいじわるで、へそ曲がりだったものだからもうたまりません。 あるときスーは考えました。 「この家に女しかいないのが、いけないんだわ。ぜったいそうよ。なんとかしなくちゃ。」 「そうだ、ママがだれかと結婚(けっこん)すればいい!!」 「でもあたしは、パパが好きなんだけど。」 さてさて、ママのおむこさんさがしは成功(せいこう)するのでしょうか……? 【 ロマンチストでちょっと子どもっぽいところのあるママと、おもしろくてかしこくてかっこいいのに、ときどき急に皮肉屋に変身してしまうパパ。おませな姉と兄弟分のべニー、そしていじわるな大おばさん……。スーをとりまく人たちとのユーモラスなやりとりが見どころ。女の子のふくざつな気持ちをえがいたお話です。ぜひ読んでみてください。】 |