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> 海へでる道
タイトル | 海へでる道 | |
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著者 | 山下 明生(やました はるお) | |
出版社 | あかね書房 | |
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アスカはこまっていました。おばあちゃんからもらった時計が、ぜんぜんうごかなくなってしまったからです。どうしてとまってしまったのでしょう、シホちゃんにじまんしようと思って、学校にもってきたのがいけなかったのでしょうか。6時のところでとまってしまった長い針の先で、マスコットのかわいいペンギンが逆さづりになっていました。 学校からの帰り道、アスカはどうにもふさいだ気分でした。もちろん、こわれた時計がアスカを落ちこませていたことはたしかです。でも本当は……アスカが落ちこんでいる本当の理由は、ぜんぜん別のところにありました。でも……。 一番やっかいなのは、アスカ自身がその理由をしらないことでした。いいえ、アスカはしっていました。でも、そのことが原因で落ちこんでいる自分をみとめたくなかったのです。そんなアスカの目の前に、とつぜんふしぎな看板(かんばん)があらわれました。 「時間屋」――。 「へんなの。時計屋でしょ? 書きまちがってるわ。でもちょうどいいや。おばあちゃんにもらった時計、このお店でなら直してもらえるかな」 なんだかあやしげなお店でしたが、アスカは勇気をだして看板の奥にある白いとびらをおし開けました。そのとびらの向こうには、ふしぎなふしぎな宇宙の時間が、アスカを待っていたのです。 【 だれにでも、不安になるときがあります。どうしようもなくふさいだ気持ちになるときがあります。さっきまでなかよしだった友だちが、急ににくらしく思えてきたり、人の言うことがいちいち気になったり……。そんなときは、両手をそっと、自分の胸にあててみてください。あなたのこころの “時計” は、きちんと時間をきざんでいますか?】 |