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> 小麦・ふくらんでパン
タイトル | 小麦・ふくらんでパン | |
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著者 | 中西 敏夫 | |
出版社 | 福音館書店 | |
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パンの材料(ざいりょう)としていちばん多くつかわれているのは、小麦(こむぎ)です。小麦は、やく6000年前に西アジアで栽培(さいばい)がはじまり、エジプトやギリシアにつたわってヨーロッパへ、また中央アジアから中国をとおって日本にやってきました。では、小麦はいつ、どうやってパンになったのでしょう? さあ、地図をとりだしてみてください。地中海の東がわ、西アジア地方にすんでいた人たちは、さむい氷河時代がおわると、草原にはえてきた草の実をとって食べはじめました。 その中には大麦や小麦もあって、とてもよい食べ物だと気がついた人びとは、その実を地面にまいて育てようとしました。こうしてやく6000年前、農業がおこり、小麦の栽培もはじまったのです。 人びとは、はじめはとったばかりの実をそのままやいてたべるだけでした。そのうち、石のうすやきねをつかって粉にして、おかゆのようなものを作りました。 そして、ある日のこと……。麦の粉と水をなべに入れ、おかゆをにているとき、うっかりこぼしてしまいました。おかゆは熱(あつ)い石の上にこぼれ、作っていた人はがっかり。でもふしぎなことに、どことなくいいにおいがしてきます。そこで、石の上にこぼれて焼けたものを食べてみると、おいしいではありませんか! それからは、水でこねた粉を石の上において焼いてみることにしました。これがパンの始まりです。ふくらみがないので、平やきパンとよばれています。パンの歴史はここからはじまったのです。 パンの歴史の中でもとても大きな発見があったのは、今から5000~4000年前のエジプトでした。ここでも、はじめはふくらみのない平やきパンしか作られていませんでした。ところがある人が、パンをやこうとこねていた麦の粉のかたまりを、たまたまひとばん、そのままにしておきました。次の日になると、その生地からブツブツとあわが出ていたのです。 その人は、すてるのもおしくて、いつもと同じようにやいてみました。すると、とてもよいかおりがして、おまけに今までの平やきパンとちがって、ふっくらとおいしそうにやけたではありませんか。 【 パンはどうしてふくらんだのでしょう? そして、長い長い歴史の中で、パンはいったいどのような変化(へんか)をとげてきたのでしょうか? パンがふくらむひみつ、いいにおいのひみつ、パンのすべてをいっしょに見てみましょう! イースト菌(きん)をつかまえるかんたんな方法、それからおいしいナーンの作り方もおしえてくれますよ。】 |