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タイトル | 大きいカアアと小さいカアカア | |
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著者 | アヒム・ブレーガー | |
出版社 | さ・え・ら書房 | |
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カラスのカアカアとカアアは学校へとんでいきました。カアカアはとても小さく、カアアはとても大きいカラスです。 どちらもリュックをしょっています。2わは、学校で勉強をするつもりでした。学校がおもしろそうに見えたからです。ほかのカラスたちが、それを見ていました。 「ばかもいいとこ。学校なんてつまらないよ」 カアカアとカアアは、窓から2aの教室にとびこみました。 「おはよう。ぼくたち勉強したいんですけど、いいですか」 ちょうど2人お昼休みで席が空いていたうえ、生徒たちは新しい子が入ってきたといって大よろこびでした。算数の時間です。カラスたちは羽根をあげます。大きいカラスはなんどもあてられました。先生にほめられたい気持ちでいっぱいなのですが、答えがわからなくても羽根をあげるので、まちがえてばかり。小さいカラスはいちどもあてられません。 カアカアがどれだけのびをして羽根をあげても、先生の目につかないのです。ほかのカラスたちが、窓からのぞいてくすくすわらいます。 「ちびはあててもらえない。でかはまちがってばかり。学校なんてカラスにはつまらないって言っただろ」 カラスのなかで1わだけ、女の子ガラスが教室へはいりたいなと思いました。そのカラスは2わがノートをもっていないのを見て、くずかごから1まいの紙をくわえだし、教室の2わめがけてとばしました。紙はぴったり2わのつくえの上に落ちました。 大きいカアアがまたまちがった答えを言ったとき、小さいカアカアはいいことを思いつきました。2わいっしょに考えて、小さいカアカアがわかったときは、大きいカアアに下から答えを教えるのです。2わいっしょだと、とてもいい調子です。 「ぼくらはすごく頭のいい2わ組だね」 それからしばらくすると、大きなカラスは羽根がくたびれてきました。それで、最後に、もういちどだけ羽根をあげて言いました。 「ぼくらはちょっとためしに学校へ来てみただけです。もうたっぷりためしたので、休み時間にしたいです。バイバイ」 先生が自分のおべんとうを半分、カアカアとカアアにくれました。2わはとびながら、もらったパンを半分、さっき紙をとばしてくれたカラスに分けてあげました。こうして2わは学校からとびたち、やがて小さな黒いかげになりました。どちらのかげも上がぷくっとこぶになっています。それはもちろん、それぞれのリュックです。 【 「カラスなんてきらいだ」 という子どもたちが多いと思いますが、この本を読んだらきっと気持ちが少し変わることでしょう。リュックを背負った2羽のカラスの楽しい物語です。】 |