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4年生の今月の本


ほうきにのれない魔女 タイトル ほうきにのれない魔女
著者 佐野 洋子
出版社 理論社
 

 ここは七かまどの森。一本のほうきと小さなトランクをもって、一人の少女がバスからおりてきました。少女の名前はツララ。小学五年生の女の子です。短いおかっぱ頭をして、ふつうの子とちっともかわりありません。

 でも一つだけふつうの子とちがうところがありました。ツララは、魔女のお母さんと人間のお父さんとの間に生まれたのです。そう! ツララは魔女なのです。ツララは都会のアパートで両親と住んでいました。しかし、お父さんがこの夏、仕事の都合で一年間、ヒマラヤのふもとに出かけることになり、お母さんといっしょに行くことになりました。おかげで、ツララはその間、魔女のおばあちゃんとくらすことになったのです。

 森はもうくらくなり始めていました。よし! おばあちゃんの家までほうきにのっていこう! ツララは、ほうきにまたがり、じゅもんをとなえました。

「ほうきよ、ほうきよ、風にのれ……ほうきよ、ほうきよ、まいあがれ……」

  ほうきは、ゆっくりと空にまいあがりました。しかし、ツララはすぐに大きなひめいをあげました。目がくらくらします。ツララはすぐ、ほうきをおろすじゅもんをとなえました。

「やだ、わたしったら、もしかしておばあちゃんににたのかしら?」

 おばあちゃんは、高いところがだめで、ほうきにのれないのです。

「魔女なのに、ほうきにのれないなんて、ショック」

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