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4年生の今月の本


ぞうのドミニク タイトル ぞうのドミニク
著者 ルドウィク・J・ケルン 内田莉莎子/訳 
出版社 福音館書店
 

 みなさんは、ぞうには2種類のぞうがあることを知っていますか? 耳が小さくて、おでこのところがへこんでいるインドぞうと、おでこがつき出ていて、コッカスパニエルみたいに大きな耳がたれさがっているアフリカぞうです。

  でも、ドミニクはそのどちらともちがっていました。インドぞうのようにジャングル生まれでもなければ、アフリカぞうのようにかれ草やひくい木ややぶがおいしげるブッシュ生まれでもありません。ドミニクは陶器(とうき)の工場(こうば)で生まれました。工場生まれのドミニクには、小さかったときもなければ、大きかったときもありません。生まれたときから今とおなじ、あかんぼのひつじぐらいの大きさです。色だって、ひつじのようにまっ白でした。ドミニクは、むかしは町中が知っているゆうめいなぞうだったのですが、それは生まれてすぐ、町の広場にある大きなくすり屋につれてこられ、そこのショーウィンドーをかざっていたからでした。

 くすり屋は 「ぞうのくすり屋」 といいました。 長いはなを高だかともちあげたドミニクの毎日はなにひとつ心配(しんぱい)もなくすぎてゆき、ドミニクはまちがいなく世界一しあわせなぞうだったのです。ところが、ざんねんなことにそのしあわせは長つづきしませんでした。 ある日、くすり屋のなまえが 「ライオンやっきょく」 に変わったのです。かわいそうに、ドミニクは暗い屋根(やね)うらべやにとじこめられてしまいました。

 いつまでこんな日がつづくんだろう……。だれからも忘れられてしまったようなさびしさに、すっかり気がめいっていたある日のことです。ピーニョという男の子が、ひょっこりこの屋根うらべやへやってきました。屋根うらべやのがらくたをほじくりかえしたり、本の入ったやなぎのかごをかきまわしていたピーニョは、そこでぐうぜんにもほこりをかぶったドミニクを見つけました。

「ぞう!ぞうだ!すてきなぞうだ!」 

 ピーニョは大よろこびでドミニクをかかえると、さっそく自分のへやにつれて帰りました。

 ピーニョは本だなのいちばんいいところにドミニクをすえ、満足そうです。

「さあ、ぞう、きみのうちはここだよ。おぎょうぎよくしなくちゃだめだよ、ぞう。ぼくが勉強してるときは、しずかにしてくれよ。勉強しちまったら、あそべるもの。ねえ、あそびたい?」

 ドミニクはこたえました。

「あそびたいさ」

 その声がピーニョにとどかないことを、ドミニクはざんねんに思うのでした。 あるとき、自分がのむはずだったビタミン剤(ざい)を、ピーニョがドミニクのはなの穴にかくしたことがきっかけで、ドミニクの体はどんどん大きくなりはじめ……。

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