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タイトル |
つるばら村のパン屋さん |
著者 |
茂市 久美子 |
出版社 |
講談社 |
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「三日月屋」は、つるばら村でただひとつのパン屋さんです。
パン屋さんといっても、宅配が専門で、まだお店はありません。
パン職人のくるみさんが注文をうけると、わらぶき屋根の農家の台所でパンをやいて、どこへでもおとどけするのです。
(おいしいパンを村じゅうの人たちに食べてもらって、一日もはやく、村の駅前にお店がもてるといいな。)
くるみさんは、赤いれんが屋根の小さなお店を思いうかべて、うっとりと目を細めました。それは、何年もまえに外国を旅したとき、山のふもとの町にあったパン屋さんでした。パンがどこよりもおいしくて、いいかおりがして、くるみさんは、いつか自分がお店をもつときがきたら、あのお店とおなじようにしたいと心にきめていたのです。
ところが、くるみさんのところにたくさんの注文があったのは、最初の一週間だけでした。
「だれでもいいから、パンの注文にきてほしいな。」
くるみさんは、家のまえにあるモミの木にせなかをもたせかけながら、しょんぼりとつぶやきました。すると、たまたまとおりかかったそよ風が、くるみさんの声を、山のほうへとはこんでいきました。
その夜のこと、台所のドアが、トントン鳴りました。
くるみさんがドアをあけてみると、戸口に、レコードののった古い蓄音機と、小さなつぼがおいてありました。ふしぎなことに、だれもいませんでしたが、手紙がそえてありました。
「つぼの中のタンポポのはちみつを入れて、パンをやいてください。なお、ごめんどうでも……。」
パンを作るときにレコードを聞かせてほしいと、その手紙にはかいてありました。さあ、どんなパンができあがるのでしょう。
【 とってもおいしそうなパンのお話が6つ入った本です。 くるみさんのお話は、つるばら村シリーズとして何冊も出ています。】
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