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4年生の今月の本


かぼちゃ人類学入門 タイトル かぼちゃ人類学入門
著者 川原田 徹
出版社 福音館書店
 

 でっかい、かぼちゃがあったのである。青々と、みずみずしいかぼちゃだったので、やがてかぼちゃのなかに、いのちが芽ばえたのである。虫が生まれ、魚が生まれ、カエルが生まれ、鳥が生まれ、けものが生まれ、人が生まれたのである。かぼちゃ島のかぼちゃ人は、かぼちゃのなかにすんで、かぼちゃを食べてくらしたのである。かぼちゃ島は、だんだんにぎやかになったのである。

 食べるという言葉と生きるという言葉は、かぼちゃ語ではおなじ言葉。くいしんぼうで、のろまでとんまだと言われるかぼちゃ人たちは、でっかいかぼちゃ島から生まれ、かぼちゃ島を食べて生きているのである。かぼちゃ肉を、にたり、やいたり、むしたりして食べる。かぼちゃ肉はとてもおいしく、栄養(えいよう)がある。

 せまい路地(ろじ)がまがりくねって、迷路みたいになっている町。幸福相互銀行(こうふくそうごぎんこう)には、心のしあわせと健康、それにお金があずけられる。町の市場(いちば)もにぎやかで、学校では、やおやのおじさんや大工さんが先生になって教えてくれたりもする。かぼちゃ島はせまいけれど、かぼちゃ人たちは、広い広い空想(くうそう)の世界であそぶ。だから絵も好き。お話も好き。おしばいも好き。

 かぼちゃ人たちは知っているのである。かぼちゃ島がいのちあるものであり、かぎりあるものであることを。かぼちゃ島のめぐみをたいせつに使い、まずしく楽しく生きていくことが、なによりも幸せであることを……。

【  福岡県の門司港(もじこう)から、連絡船(れんらくせん) 「かぼちゃ丸」 で行けるという「かぼちゃ島」。島にくらすかぼちゃ人たちのくらしぶりを、たのしくえがいたこの本をよめば、あなたも 「かぼちゃ島」に行きたくなるでしょう。本のおわりには、「かぼちゃ島観光案内(かんこうあんない)」までのっています。予約がひつようなかぼちゃフルコース、ぜひ食べてみたいですね。】

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