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4年生の今月の本


ぼくの一輪車は雲の上 タイトル ぼくの一輪車は雲の上
著者 山口 理
出版社 文研出版
 

 始業式で校長先生がおばあちゃんと同じことを言った。お話が終わったとき、健太君はふうっと一つ、ため息をついた。
  雄ちゃんはサッカーがうまいし、一樹は勉強ができるし、正男だってけっこう頭いいし……。みんな何か得意なものを持っている。

「健ちゃんだって、何をやっても、けっこうできるじゃん。勉強もまあまあだし、スポーツも悪くないよなあ。」
「その『まあまあ』っていうのがいやなんだ。」
(ぼくだって一生けんめい考えたんだ。でも、何も見つからなかったんだ。もういいや、ないものはないんだ。)

 ある日、飛んできたサッカーボールを2年生の女の子が一輪車に乗ったまま上手によけたのを健太君は見かけた。
 
「ぼくだって一輪車なら低学年のころはかなりうまかったんだ。あの子ぐらいのことはぼくにだってできたかも。」
  4年生になったのでどのクラブ活動に参加するか決める日が来た。健太君は思い切って一輪車クラブに手を上げた。

【 健太君の得意なものは一輪車だったようです。だけど健太君は得意なことを見つけただけではありませんでした。がんばりぬく楽しさを健太君と一緒(いっしょ)にあじわってみましょう。】

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