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4年生の今月の本


赤ちゃんがきた! タイトル 赤ちゃんがきた!
著者 グードルン・メプス
出版社 徳間書店
 

 ぼくのうちに、もうすぐ赤ちゃんが生まれる。生まれるって知ったのは、もうずいぶん前。あのころママは、ずっとぐあいが悪くて、朝ごはんを食べると吐いたりしてた。

 ママがまたまたまっ青になってトイレに走っていくと、パパが言った。
「ねえダービト、小さいおとうとか、いもうとがいたらいいよね」
「ママが元気なのがいい」
とぼくは答えた。

 そしたら、パパはみんな話してくれた。ママもトイレからもどってきて、いっしょに教えてくれた。
  びっくりしたなあ。新しい子どもが生まれるんだ。その子はもうママのおなかの中にいて、すこしずつ大きくなっている。もっと大きくなったら、ママはまた元気になる。そのあとも、おなかの子はどんどん大きくなって、ある日生まれてくるんだって。

 それから三人ですわって、赤ちゃんの名前をなににするか話しあった。ぼくはいっしょうけんめい考えた。名前をつけるのは、ぼくだよ。その子は、ぼくのいもうとかおとうとになるんだから。

 ぼくは、すぐにいい名前を思いついた。プームックルにしよう。たのしい名前だから。でも、だめだって。プームックルは、人形の名前にならいいけど、子どもの名前じゃないんだって。

 ぼくは、考えつづけた。そしたら、すてきな名前が頭にうかんだ。もし、いもうとが生まれたら「マリー」にしよう。
「まきばであそぶ かわいいマリー……」
ぼくのいちばんすきな歌。

  もし、おとうとが生まれたら、「モーリッツ」。モーリッツは、ぼくが持っている絵本に出てくる。「マックスとモーリッツ」という名前の本。

  今はまだ、「マリーモーリッツ」ってよんでいようっと。男の子か、女の子か、ママもパパもぼくも知らないんだから。

【 赤ちゃんが生まれると、パパもママもダービトのことをほったらかし。 弟や妹を持っている人の中には、赤ちゃんなんていなくなっちゃえ! って思った人もいるんじゃないでしょうか。でもね、小さな弟や妹を守るのはお兄ちゃん、お姉ちゃんの大事な仕事なんです。まだ弟や妹のいない人はこの本を読んで、ダービトの気持ちを感じ取ってみてください。とってもやわらかで、あたたかい気持ちになれます。】

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