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5年生の今月の本



                  裁判とふしぎなねこ
                  タイトル 裁判とふしぎなねこ
著者 手島 悠介
出版社 学習研究社
 

 六年生のぼく、斗夢(とむ)の学校では宇都宮地方裁判所のほんものの法廷を借りて『模擬裁判』をすることとなりました。
 模擬裁判とは、裁判のまねをする、裁判の劇のことです。
 市民の方がたくさん、見にきてくれますし、新聞やテレビも取材にくるとのことでした。

 模擬裁判をするにあたって、先生は裁判の勉強をするといいました。
 先生は、「刑法」や「警察官」、「検察庁」、「被告人」、「弁護人」の説明をしました。そして、「裁判官」はなにをするのかを続けて説明してくれました。

「裁判官は、かたよった考えをもたず、被告人のいい分をきき、検察官の意見と、弁護人の意見を、よくききわけなくてはなりません。証拠を調べ、たしかめ、また証人の話に耳をかたむけて、かくれている真実をつきとめるのです。そのうえで、刑法にしたがって、被告人を正しく公平に裁くのです。」

 刑事裁判のあらましを説明した先生は、
「きみたちの模擬裁判でも、見にきてくださる市民のみなさんがなっとくするような、正しい判決を出さなければなりませんよ。」
といいました。

 模擬裁判であつかう事件は、『宇都宮銀行強盗被告事件』。宇都宮銀行に強盗が入って、二百万円うばわれてしまった。その犯人だ、と検察官に起訴された被告人を、弁護人が弁護するという事件でした。

【 2009年から裁判員制度がはじまり、裁判官を職業としていない一般の方が裁判員として裁判の判決に重要な役割を果たすようになりました。
  この作品では、罪とは何か、良心に基づいて行う行動とは何か、社会の常識・道徳にしたがう行為とは何か、という人間の行動の基本となることがらから、強要された自白が無効であるといった裁判の基本原則までわかりやすく説明してくれます。
  みみなれない言葉が多く、また、主人公の斗夢がおかしてしまった罪への対応に最初は読みづらく感じてしまうかもしれませんが、二回くり返して読むことで、より深く人間の行動と刑事裁判の仕組みについて理解できると思います。 】

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