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5年生の今月の本



                 トトの勇気
                  タイトル トトの勇気
著者 アンナ・ガヴァルダ
出版社 鈴木出版
 

 ぼくはコレージュ(フランスの中学校)の一年生。

 ぼくは学校がきらい。勉強は大事だとは思っているけど、やってみてもわからない。授業はみんな、外国語みたいに聞こえる。

 それなのにパパもママもぼくに、
「勉強しろ!」
「勉強しなさい!」
「勉強!」「勉強!」

 そして、いつもぼくのひどい成績のことを口実にして、毎晩ののしりあう。

 もう、たくさんだ。ほんとに、もう、たくさんだ……。

 だから、こんなときは恐怖の宿題なんてやらずに制作中のものに集中する。ぼくが興味あるのは、ぼくの手とぼくの手が作りだしたものだけ。

 そして、ぼくは体育の授業で生まれてはじめてクラスのみんなにものすごく受けたことをきっかけに、体育の授業で悪ふざけを続けた結果、学校を退学になってしまった。小学校二年生のときに退学になって以来、二度目の退学だ。

 一度目の退学の時、ウサギとカメの話をしてなぐさめてくれたおじいちゃんも、二度目の退学の時は怒った。

 退学になったぼくを受け入れてくれるところを必死で探して、ママが集めた学校案内の中で、ひとつだけ気になる学校があった。それは技術高等学校だった。でも、家からは遠すぎて通えないし、ぼくの成績じゃ入れるわけもない学校だった。

 とつぜん、またおなかが痛くなってきた。

【 フランスでは義務教育期間中でも退学にさせられてしまうことがあります。義務教育なので別の学校に入学できるのですが、自分に合わない学校に行ってもつまらないですよね。そこで、将来の目標をかなえるために、トトがとった手段とは。
 本を読んだあと、原題の“35kilos d'espoir”という言葉を思い返してください。フランス語で「希望」のことをespoirといいます。】

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