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5年生の今月の本



                 のどか森の動物会議
                  タイトル のどか森の動物会議
著者 B・ロルンゼン
出版社 童話館出版
 

 かわず村の男たちが、村の旅館(りょかん)≪ななめ角屋≫で寄り合いをしていました。村長のマグヌスが立ち上がると、げんこつでテーブルをドンとたたき、いいだしました。

「わしにはいい考えがあってな! わしは、わしらみんなが、百万長者になれる方法を知っているんだ。どうだ、みなの衆(しゅう)!」

 村長はいいました。

「今年は木材の値(ね)が特別高い。大きな木だったら、一本で千五百マルクになる。かわず村の共有地であるのどか村から一万本の木を切り出せば、大変なお金が手に入る」

 それを聞いて、みんなはいっせいに、拍手(はくしゅ)かっさいしました。反対したのは、ひつじ飼(か)いのシュトッフェルただひとり。

「恥(はじ)を知れ、恥を! 動物たちの住みかがなくなってしまうんだぞ。そうなったらもう戦争だ、ぜったいにな!」

 しかし、みんなは「わしらの森の木だから自由にできる」といって、とりあいません。

 この話を旅館の窓のすきまで聞いていたものがいました。カラスのヤコブスです。ヤコブスは外に飛びだすと、大車輪でつばさを羽ばたかせ、のどか森めざしてすっ飛んで行きました。知らせにいったのは、森の動物たちの村長である根っこのペーターのところです。ペーターは、木の根っこに住む小人で、のどか森の動物たちにとって、大変たよりになる村長でした。

  話を聞いて、ペーターはいいました。

「動物会議を開こう。それがいちばんだ」

 さっそく、森にすむ動物という動物が≪かみなりがし≫のところにあつまりました。

「かわず村の連中があす早朝にも森の木を切りたおしにかかるといっている」

 ペーターのことばを聞きつけるやいなや、大騒動(おおそうどう)になりました。

「前代(ぜんだい)未聞(みもん)だ! 信じられん! ……かわず村の人間たちは、そんななさけ知らずだったのか? ……戦争だ!」

 そんなことばが、ブウブウ、ブツブツ、ピイピイ、ギャアギャアかわされました。根っこのペーターはいいました。

「この森の故郷(ふるさと)を、そうやすやすと追われてなるもんか。のどか森から手を引け! きょうただ今から、これがわれわれのスローガンだ!」

【 さて、動物たちのとった対策(たいさく)とは? そして、のどか森はどうなるのでしょう?】

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