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ぼく、ネズミだったの!
タイトル | ぼく、ネズミだったの! | |
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著者 | フィリップ・プルマン | |
出版社 | 偕成社 | |
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ボブとジョーンの老夫婦(ふうふ)の家に、あるさむい夜、だれかが訪(たず)ねてきました。ドアを開けると、月明かりのなかに、お小姓(こしょう)の制服(せいふく)を着た小さな男の子が立っていました。 「おやおや!どなたかな?」 ボブがたずねると、 「なんですって?」 ジョーンが夫のうしろからいいました。 「ぼく、ネズミだったの」 少年がくりかえしていいました。 少年を家に入れてやったあと、 それでなにもかも説明がつくとでもいうように、少年はいいました。 ボブがたずねると、
翌(よく)日から、市役所へ行ったり、孤児(こじ)院(いん)をたずねたり、警察(けいさつ)や病院に行って相談したりしましたが、少年の身元は分かりません。少年は、やたらとものをかじります。一方、普通(ふつう)の少年なら知っていることをまったく知らないようです。 少年は、ロジャーと名づけられ、小学校へ行くことになりました。ところが、ロジャーは鉛筆(えんぴつ)さえもっていません。ふざけていると思った先生が、きびしくしかろうとすると、なんとロジャーは先生の手にかみつきました。さらには、お仕置きをしようとした校長先生ととっくみあい、カンカンにおこらせてしまいます。 ネズミのような少年のうわさを聞きつけた人たちは、みなロジャーを利用して有名になろうとしたり、金儲(もう)けをたくらんだりする人たちばかり。やがて、ロジャーはとらえられ、悪魔(あくま)の「ネズミ・モンスター」として処刑(しょけい)されることになってしまいます。ロジャーの正体を知っているのは、世の中でただ一人。それは、お城(しろ)の皇太子(こうたいし)妃(ひ)となった少女でした。じつは、ロジャーがお小姓の姿(すがた)をしていたのは、彼女(かのじょ)と大いに関係があったのです。ロジャーを助けられるのは彼女だけ。いったい、だれがどうやって彼女にロジャーの危機(きき)を伝えたらよいのでしょう。 【 ストーリーが巧(たく)みで、たいへんおもしく読みごたえのある本です。読書好きの少年少女におすすめします。最後まで読むと、シンデレラの物語が下敷(じ)きになっているのがわかります。各校舎(こうしゃ)とも、貸し出し用図書として備えています。また、書店でもお求めになれます。】 |