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5年生の今月の本



                 マキの廃墟伝説
                  タイトル マキの廃墟伝説
著者 山中 恒
出版社 理論社
 

 夏休みのはじめ、五年生の北村マキは交通事故にあった。

 事故のショックでマキは事故にあったことだけ忘れているという軽い記憶喪失になっていたが、もっと大変なことになっていた。

 退院して家へ戻ると、姉のミヒロがなにげなく聞いてきた。
「白壁病院の幽霊の話、だれから聞いたの?」

 マキはへんな顔をした。
「それ、なんの話? わたしは知らないよ」
「いやだ! あたしだって、はじめてマキから聞いたんだよ」
「いつ、あたしがそんな話をした?」
「あんたが入院していたとき」

 マキには、まるでおぼえがなかった。
「……それがさ、ぼーっとしていたマキが、急にパッチリ目をあけて、あたしの顔をじっと見て。『白壁病院に、なぜ幽霊が出るかわかった?』って、聞くのよ。それで、あたしが知るわけないっていったら、あんた、にやーっと笑って、教えてくれたんだ。まるっきりおぼえてないの?」
「うん。どんな話だった?」
「いやだねえ」といいながらも、ミヒロはマキから聞いたという話をマキにしたのだ。

 マキは話を聞いた後もさっぱりその話の記憶がなかった。
「もしかして、あんた、半分あっちへ行ってて、そこでその話を聞いたんじゃない?」
「あっちって?」
「ホーンテッド・シティーのことだよ」

 ホーンテッド・シティーは死んだ人が行く町のことだった。

 ミヒロはマキに『ホーンテッド・シティーのなぞ』という本を渡し、これで読書感想文でも書いたらというのだった。

【 なんと、マキは本当に幽霊が見えるようになっていました。どきどきとわくわくがいっぱいつまったお話です。】

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