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クロシオ小島のヤギをすくえ
タイトル | クロシオ小島のヤギをすくえ | |
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著者 | 漆原 智良 | |
出版社 | 国土社 | |
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夏休みを利用して、ぼくは、お父さんが小学校五年生の時まで住んでいたというクロシオ小島へ向かった。そこは、お父さんたちが島を出ていってからずっと無人島だった。 ぼくは、そこに遊びに行くわけではなかった。 五年生になってまもない五月の朝、父ちゃんがぼくに新聞をさしだした。そこには、 父ちゃんはこの記事をぼくにみせると、ためいきをもらした。 父ちゃんにとっては、ヤギはいのちの恩人だった。海が荒れて定期船がいく日もこないとき、ヤギの乳でいのちをつないできたのだった。島を出ていく時、島のみんなはヤギも連れていこうとしたのだが、役所から伝染病の危険があるので持ちだし禁止といわれ、泣く泣くかわいがっていたヤギたちをおいてきたのだった。 新聞の記事は、そのヤギたちが増えて、島の植物を食べつくし、ガケくずれが起こっているというものだった。 「クロシオ小島へ行って、ヤギを見てみたいなあ」 そして、夏休み。ぼくは父ちゃんと羽田空港からジェット機で四十分のクロシオ親島に渡り、じいちゃんと、いとこの恵子と合流して、テントや食料をもって漁船でクロシオ小島に向かうのだった。 【 作品中ではクロシオ小島という名前になっていますが、このお話は、東京から南へ約三百kmほど離れた八丈小島であったお話を元にしたお話です。ヤギはよく増える動物なので、人間が食料にするために連れてきたヤギが、人間がいなくなった後増えすぎて、島がくずれるまで植物を食べつくしてしまうという公害が各地で起こっています。ヤギも好きで無人島に来たわけではないのにかわいそうなお話ですね。】 |