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5年生の今月の本



                 黒魔女コンテスト
                  タイトル 黒魔女コンテスト
著者 エヴァ・イボットソン
出版社 偕成社
 

 <北の大魔法使い>と呼ばれるアリマンという名前の魔法使いがいた。アリマンはここ何年も、黒い魔法使いの仕事である、雷鳴をとどろかせたり、はげしい雨をふらせたり、毒を調合したりするという仕事を続けていた。

 ところがある日、アリマンは黒い魔法使いの仕事をする生活が急に嫌になった。本でも書いて暮らしたいと思いはじめたのだ。しかし、魔法使いの仕事を簡単にやめるわけにはいかない。それで、アリマンの召し使い(めしつかい)のレスターは、未来を予言できるという有名な占い師に相談してみようとアリマンに持ちかけ、さっそく二人はその占い師に会いに行った。

 占い師はアリマンに、アリマンのあとをついでくれる人間があらわれると予言した。ところが、それがいつのことかは教えてくれなかった。

 それでもアリマンはうれしくなり、あとをついでくれる魔法使いがやってくるのをずっと待っていた。しかし、いつまで待っても魔法使いはあらわれなかった。

 悲しむアリマンに秘書のリードベター氏が結婚してはどうかと話をもちかけた。レスターもそれに賛成した。結婚すれば魔法使いの赤んぼうが生まれるからだ。

 魔法使いが結婚するとなれば、相手は魔女しかいなかった。

 アリマンは地元の魔女の集会に出かけていった。ところがそこにはみにくい魔女たちしかいないようだった。ハエを顔中にびっしりたからせたおばあさん魔女や、家畜のふんがべったりついた長靴をはいた、くさくて汚らしいかっこうをした魔女もいた。

 アリマンは結婚なんかやめて逃げ出したくなった。だが、勇気をふりしぼり、気絶しそうになりながらも、結婚相手を選ぶための魔女コンテストを行うと宣言した。そして、「もっとも邪悪で、黒い魔法を行ったものを妻にする」と言った。

 この魔女の集会には、実は若く美しい白い魔女べラドンナも参加していた。白い魔女は人を幸せにする魔法使いなので、べラドンナは黒い魔法使いたちから嫌われて、アリマンから見えないところにいた。しかし、彼女はアリマンを見ていた。アリマンにひとめぼれしてしまったべラドンナは、もう一度アリマンに会いたくて、黒い魔法が使えないにもかかわらずコンテストに申し込んでしまった。

【 黒魔法を使う不潔な魔女たちが恐ろしげな魔法を使いますが、みんなどこか間が抜けています。白魔女べラドンナはどんな恐ろしい魔法を使おうというのでしょうか。コンテストを行うと宣言したけれど、結婚なんてしたくなくなったアリマンの運命は? とても面白い物語ですよ。】

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