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バドの扉がひらくとき
タイトル | バドの扉がひらくとき | |
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著者 | クリストファー・ポール カーティス | |
出版社 | 徳間書店 | |
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六歳は、ほんとうにつらい。ぼくは六歳のとき、この<子どもの家>に来た。ママが死んだのも、六歳のときだった。 今日はぼくより二歳年上の十二歳の子どもがいる家にぼくがひきとられることになった。 里親にあずけられるのはこれで三度目。荷物をまとめて出ていくために、ベッドの下からかばんをひっぱりだした。荷物を確かめるついでに、ぼくは荷物の中のチラシをながめた。 しょっちゅう見ているからチラシはぼろぼろ。でも、ママがのこしてくれたこのチラシのどこかにぼくあての伝言がかくされている気がする。チラシはブラスバンドのチラシで、「ハーマン・E・キャロウェイと褐色の不景気なんかぶっとばせバンド!!!!!!」と書いてある。 このチラシにのっている人がぼくのお父さんじゃないかという気がする。会ったことはないんだけど。 里親の家で、ぼくは最初の日からその家の子どもにいじめられた。そして、里親までぼくの言うことを信じてくれず、物置小屋にぼくをとじこめてしまった。 ぼくはなんとか逃げ出したけれど、逃げ出すついでに里親たちにこっぴどい仕返しをしてやったので、もう<子どもの家>に戻ることもできなくなった。 そうだ、このチラシにのっているお父さんに会いに行こう。 【 まだ黒人差別のあった恐慌時代のアメリカを舞台にした物語ですが、持ち前の陽気さとユーモアあふれるバドの目線で描かれているため楽しく読むことができます。「大人がこう言っている時はだいたい悪い話だ!」なんていうバドの知恵や、バドの出会う素敵な大人たちもまた魅力的な物語です。】 |