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5年生の今月の本



                 ペペとチッチ -やなぎ村物語-
                  タイトル ペペとチッチ -やなぎ村物語-
著者 わたり むつこ
出版社 あかね書房
 

 町から遠くはなれた草原に、かえるたちの住む、“やなぎ村”という村がありました。やなぎ村の中には川が流れていて、かえるたちは東の岸と西の岸に分かれて暮らしていました。

 ところが、いつのころからか、東の岸のかえるたちと西の岸のかえるたちは、出会えばすぐにけんかをするようになっていました。

 そんなある日のこと、やなぎ村をあらしがおそいました。

 家にとじこもっていた若者がえるのペペの家のドアをだれかがノックしました。ペペがドアをあけると、やせこけたずぶぬれのねずみがたおれるように家の中に入ってきました。チッチと名のるそのねずみは、旅をしているとちゅうでこのあらしにおそわれて、川を流されてきたのだそうです。ペペはチッチをあたたかくむかえいれました。

 あらしのあいだじゅう、ペペはチッチに西の岸のかえるたちがどんなに悪いやつらか、といった話をしました。チッチはだまってペペの話に耳をかたむけてくれました。

 あらしがおわり、元気をとりもどしたチッチは、きみょうなことをはじめました。やなぎの若枝を何本か、かかえてきて、それをしこしこと歯でかみはじめたのです。チッチは西がえるをやっつける道具を作っているにちがいない、とペペは思いました。

 そして、西と東のかえるがけんかをはじめたとき、チッチはその道具をつかって見事にけんかをおさめてくれました。チッチの道具とは、楽器だったのです。かえるたちはけんかをやめてチッチのかなでる曲に合わせて歌いはじめました。

 しかし、ある日、チッチはきゅうにペペの家を出ていってしまいました。旅のつづきをはじめたのです。

 チッチがいなくなったとたん、西と東のかえるは、歌をわすれ、またけんかをするようになってしまいました。

 そこで、ペペはチッチを探しに、やなぎ村を旅立つことにしました。

【 チッチを探す楽しい冒険物語。ねずみやかえるといった動物だけでなく、いがいなものがペペを助けてくれます。】

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