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もちろん返事をまってます
タイトル | もちろん返事をまってます | |
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著者 | ガリラ・ロンデフェル・アミット | |
出版社 | 岩波書店 | |
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エルサレムの小学校五年生のノアは文通をはじめました。 文通の相手は、同い年のよその学校の子どもたち。だけど問題をかかえた子どもたちでした。 その問題について先生はお話しになりませんでしたが、文通を続けていくうちにわかるだろうとおっしゃいました。 ノアは、自己紹介とともに自分がなぜこの文通をはじめようと思ったのかを手紙に書いて文通相手に送りました。 すると、ワープロ(パソコンのように文字を入力し、印刷することのできる機械)で書いた手紙が返ってきました。 なぜならノアの文通の相手のドゥディは脳性マヒで、一人で手紙を書こうと思ったら、ワープロで書くしか方法がなかったからです。四時間もかけてやっと返事を書いたのだそうです。 しかし、ノアが自分の写真を同封したのに、ドゥディはノアに自分の写真を送ってくれませんでした。 同じ町に住んでいるんだから会おうとノアがさそってもドゥディは会おうとしませんでした。 体が不自由だから会ったら嫌われてしまうと思っているドゥディの気持ちはノアもよくわかっていました。だから、ノアはしばらく会う話題をさけて文通を続けました。 しかし、ドゥディに会いたいというノアの気持ちはおさまりませんでした。ノアはドゥディの手紙にこう書きました。 「わたしが会いたいっていうたびにおこるのね。オーケー。もう、いいません。だけど、それでどうなるかしら? どうなるか、きっちりいってみましょうか? わたしの手紙は、わざとらしくなるはずです。ひとこと書くたびに、ドゥディを傷つけやしないか、おこらせやしないかって、十回も迷うから。」 【 同情したり憐れんだりしたその瞬間から、二人の関係は平等なものでは無くなるというおかあさんの忠告がさりげなく、深いお話です。本音と本音がぶつかり合うノアとドゥディの文通でつづられる物語。】 |