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さすらい猫ノアの伝説
タイトル | さすらい猫ノアの伝説 | |
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著者 | 重松 清 | |
出版社 | 講談社 | |
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親友の亮平に教えられ、健太は授業中、外に目をやった。 ウッドデッキの上に猫がいた。全身真っ黒で、首に緑色のバンダナ……違う、風呂敷包みを巻きつけていた。 教室の後ろから出入りできる広いウッドデッキで、黒猫はのんびりと毛づくろいをしている。健太と亮平以外はまだ誰も気づいていない。 健太が、先生に見つからないように、静かに、少しずつ窓をあけると、黒猫は起き上り、健太のひざの上を目がけて飛び込んできた。健太はそっと黒猫の首の風呂敷包みの結び目をほどいた。包みをあけると、まるい筒の形をしたプラスチックのケースが入っていた。ふたを開けてみると、折りたたんだ紙が入っているのがわかった。 健太は先生に見つからないよう、教科書を立てて机に置き、その陰で紙を開いた。 それは手紙だった。 子どもの字で書いてある。 <わたしたちは、城北市立第三小学校六年二組です> 城北市は健太のいる市の隣の市だ。 <おめでとうございます! あなたのクラスはノアに選ばれました!> <ノアに選ばれたことを、最初は困ってしまうかもしれません。でも、ノアはきっとあなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです> クラスのまとまりはサイコーの五年一組が、何を忘れちゃうんだ――? 健太は首をかしげた。 【 学校を渡り歩く伝説のさすらい猫」なんて面白いですね。健太のクラスはいったい何を忘れてしまったのでしょうか。 また、しゃべれるわけでもない黒猫のノアがどうやって忘れたことを思い出させてくれるのでしょうか?】 |