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牡丹さんの不思議な毎日
タイトル | 牡丹さんの不思議な毎日 | |
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著者 | 柏葉 幸子 | |
出版社 | あかね書房 | |
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菫(すみれ)のお母さんの牡丹(ばたん)さんが買うことに決めたマイホームは、もとホテルだった建物だった。 引っ越しの荷物を運びこんだ後、お父さんはホテルの家族風呂に入ることにした。 お父さんがお風呂に入ったと思ったら、すぐに大きな悲鳴がして、あわだらけになったお父さんが、風呂場(ふろば)から飛びだしてきた。 「知らないばあさんが風呂にいる。」 牡丹さんと菫が家族風呂に様子を見にいくと、湯船(ゆぶね)に肩までつかったおばあさんがいた。 「すみません。ここ、もうホテルじゃないんです。個人の家なんです。」 すると、風呂場の明かりがスーッと暗くなって、パッとついた。 「あなた、幽霊(ゆうれい)なんですか?」 牡丹さんはダイレクトだ。 「わかっていただけて、うれしいです。ここ、幽霊ホテルっていわれてたのご存じないんですぅ?」 牡丹さんは、どうりでこのホテルが安かったのだと歯ぎしりした。それでも、牡丹さんはこのマイホームを手放す気にはなれなかった。このホテルは菫の通学やお父さんの通勤にも便利だし、買い物やバスの便利もいいのだ。 そこで、牡丹さんは、この幽霊のおばあさんと契約(けいやく)することにした。 牡丹さんたちがお風呂を使うときはでてこない。朝、風呂場の掃除(そうじ)を幽霊のおばあさんがする。 この条件で、おばあさんの幽霊をホテルに住まわせることにしたのだ。 菫は、不安でいっぱいになった。これからの生活がどんなものになるやら、想像したくもなかった。 【 牡丹さん一家は、幽霊のおばあさんにこの温泉街のことを教わりながら、温泉街で起こるさまざまな不思議なお話に関わっていきます。人情味あふれるファンタジーです。】 |