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5年生の今月の本



                 りこうすぎた王子
                  タイトル りこうすぎた王子
著者 アンドリュー・ラング
出版社 岩波書店
 

 むかしむかし、パントウフリアという国に、王さまとお妃さまがいました。お妃さまは、たいそうりこうで、学問があったのですが、ふしぎな力を持つ妖精たちがいるなどとは信じていませんでしたし、見ることもできませんでした。

 王さまとお妃さまの間に王子さまが生まれてお祝い会をするときも、お妃さまは妖精を招待しませんでした。それでも妖精たちは王子さまのためにお祝いにやってきてくれました。そして、いくら使ってもからにならないさいふや、かぶったもののすがたをかくすぼうし、まほうのじゅうたんなどふしぎなおくりものをしてくれました。そのほか、王子さまがいつまでも美しくいられるようにとか、運がいいようにといったおくりものをしてくれました。ところが、いちばんさいごになった年よりの妖精は、王子さまに近づくと、こんなことをいいました。
「王子よ、おまえはりこうすぎる王子になるがいい!」

 王子さまは大きくなると本当にりこうすぎる王子さまになってしまいました。

 おとうさまの王さまに、貧しい人がいるのにどうして王さまはおやつをたべていいのか? といったり、料理人にスープの作り方を教えたり、フランス語の先生の発音を直したり、こんなことも知らないの? と感じのわるいやりかたでおとなたちをやりこめました。

 おかげでパントウフリアの国の人々は、王子のことが大きらいになってしまいました。とくに王子のことをきらっていたのは、おとうさまの王さまでした。

 ちょうどそのころ、パントウフリアの国に、それはそれはあつい夏がやってきました。王さまが学者たちに相談すると、おそらくファイアードレイクという火をふく竜があらわれたせいだろう、というのです。

 王さまは、りこうすぎる王子さまをやっかいばらいするチャンスだと、王子さまにファイアードレイクを退治するよう命じました。

【 りこうすぎて妖精を信じないお妃さまの息子の王子さまなんですから、竜がいるなんて王子さまは信じてはいません。でも、ファイアードレイクを倒さないと……。りこうすぎる王子はどんなりこうなことを考えつくのでしょうか。】

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