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5年生の今月の本



                 ハロルドのしっぽ
                  タイトル ハロルドのしっぽ
著者 ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ
出版社 BL出版
 

 ぼくは、リスのハロルド。ニューヨークの街の中にあるストラウスパークという小さな公園で何不自由なく暮らしている。

 街の人間たちはぼくをかわいがって、いつもベーグルのかけらをくれたり、アーモンドやひまわりの種をくれる。

 特に、毎日公園にやってくるおじいさんはぼくにピーナツやマカダミアナッツをくれるので、ぼくはそのおじいさんをマカダミアさんと呼んでいた。

 ある日、公園の中を巡回していると、ごみ箱がひっくりかえされていた。よくみると、ネズミがゴミをあさっていた。

 公園でゴミを散らかしたりしないで、出ていけ! というぼくに、そのドブネズミはこう言った。

「もしおれが、その揺れてふわふわするしっぽを持っていたら、おれだって、おひさまの下で、ぬくぬく暮らせるにちがいない。実際、おれたちがしっぽをとりかえっこしたら、公園中のだれもが、まちがいなく、おまえがネズミで、おれがリスだと思うだろうな。」

 それは、ばかげているとぼくが言うと、ドブネズミは、だったらこれからすることに文句はないなと、ぼくをあるところへ連れていった。

 そして、ぼくたちは、しっぽを交換したんだ。

 公園に戻って、ぼくたちは、マカダミアさんの目の前に飛び出していった。マカダミアさんなら、ぼくのことを忘れるはずはない。そう思ったのに、マカダミアさんはぼくの姿を見ると、変な顔をして、突然、ぼくの背中を杖でピシャッとたたいた。そして、ぼくのしっぽをつけたドブネズミにマカダミアナッツをやりはじめたのだ。

【 今までかわいがってくれていた街の人たちが、ハロルドの姿を見るなり、ネズミだ! といって驚くようになってしまいました。ハロルドは、とうとう公園にいられなってしまいました。よそに住むリスからも、のけものにされたハロルドは、厳しい生活の中、本当の自分とはなんだったのかを見つめ直していきます。】

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