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5年生の今月の本



                 ねずみの騎士デスペローの物語
                  タイトル ねずみの騎士デスペローの物語
著者 ケイト・ディカミロ
出版社 ポプラ社
 

  お城に住むハツカネズミのデスペローはかわったねずみでした。からだがとても小さいのに、とても大きな耳を持っていました。そして、デスペローのきょうだいがおいしそうに食べる本を読むことができました。デスペローは姉さんがあきれても、「お話をだいなしにしちゃう」といって、本を決して食べませんでした。デスペローは美しい姫を守る、ゆうかんな騎士にあこがれ、毎日のように物語の本を読んでいました。

  デスペローがある日、お城の中をあちこちのぞいてまわっていると、はちみつみたいなあまい音が聞こえてきました。王様がむすめのピー姫のために、ギターをひきながら歌っていたのです。デスペローは音楽にひきよせられ、うっかり二人の目の前に出てきてしまいました。

  音楽にききほれているデスペローを見つけたピー姫はデスペローの頭にそっとふれました。デスペローが姫を見ると、姫はデスペローにほほえみかけました。そのとき、デスペローは姫に恋をしてしまったのです。

  デスペローは、姫の前から立ち去るとき、
「おしたい申しあげております、わが名誉(めいよ)にかけて!」
と人間のことばでいいました。これは、デスペローがお城の図書館で読みふけっているゆうかんな騎士の物語のなかにあったことばです。

  デスペローは、いまはまだなにも知らずにいましたが、物語のようにゆうかんにならなければならない運命が、もうすぐそこまできていました。

  デスペローは人間のお姫さまとことばをかわした罪で、ハツカネズミの仲間から追い出され、地下牢に送られることになったのです。

【 一方、お城の地下牢には光にあこがれるキアロスキューロというドブネズミがいました。デスペローとキアロスキューロ、二匹のネズミはいったいどのような出会いをするのでしょうか。お姫さまと話したい。光の下で暮らしたい。得られないものを強く願う、登場人物達の悲しい思いに胸を打たれる物語です。】

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