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月夜のチャトラパトラ
タイトル | 月夜のチャトラパトラ | |
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著者 | 新藤 悦子 | |
出版社 | 講談社 | |
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ぼくたちの洞窟ホテルのあるカッパドキアに冬が訪れた。 夏には洞窟だらけのカッパドキアの不思議な風景を見に、多くの人たちがやってくる。だけど、冬に泊まる人はいない。 めずらしくこの冬、日本人の画家のヨーコとフィンランド人のミッコがやってきた。ヨーコは冬のカッパドキアの風景を描きに。ミッコは何か探し物をしているようだった。この二人が洞窟ホテルの二人きりの客だった。二人はとてもいい人たちだったが、ぼくは二人にぼくだけの大切な友だちのことを秘密にしていた。 ぼくは、カッパドキアの洞窟にすむチャトラパトラという小さな小さな人たちと友だちだ。ネコかウサギぐらいの大きさで、ぼくによく似て、肌が白くて、赤毛で、目は緑色。 そのチャトラパトラたちが、ある日、風に飛ばされてきたという羊皮紙をぼくに見せてくれた。チャトラパトラたちは謎の宝の地図だといって、期待の目で、ぼくを見つめた。しかし、ぼくにはその地図の文字が読めなかった。すると、チャトラパトラたちはとたんにがっかりした。チャトラパトラたちもその文字が読めなかったのだ。ぼくがこの地図を読み取って宝を見つけてくれるものとばかりに思っていたのだ。 ぼくは、その地図をチャトラパトラたちからあずかってホテルに帰った。 何日かたったある日、ぼくが地図のことをホテルの図書館で調べているとミッコがやってきた。ミッコはホテルに泊まっている間、このホテルの図書館にあるめずらしい本をたくさん読んでいた。いま読んでいる本はこの地方に伝わるふしぎな地図の話だとミッコは教えてくれた。ぼくはチャトラパトラたちの宝の地図の謎が解けるかもしれないと思い、さっそくその物語をミッコに話してくれるようにせがんだ。 【 チャトラパトラの宝の地図ははたしてミッコが調べているふしぎな地図に関わりがあるのでしょうか。トルコの風物も楽しめる物語。】 |