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5年生の今月の本


いっしょにアンべ! タイトル いっしょにアンべ!
著者 高森 美由紀(作) ミロコ マチコ(絵)
出版社 フレーベル館
 

 小学5年生のノボルは、“柿の木事件”以来、クラスのみんなに柿どろぼうとして白い目で見られるようになりました。ひとりでいることはきゅうくつじゃない。自由だ。楽しいんだ。――そう、毎日、言い聞かせていました。
 ある日、家に帰ると、ノボルのお母さんがめずらしくおやつを用意していました。しかも手作りプリン。いったに何があったのかと、ノボルは不安になりました。お母さんは、姿勢を正して言いました。「子どもをひとり、預かることにしたの」「え?」「あの大震災で孤児になっちゃった子なのよ。有田圭太くんっていって、あんたと同じ5年生。」「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってよ、何?急に。勝手に!いやだよ、そんなやつがくるなんて」わーっとおしよせる情報と感情につきあげられ、ノボルは立ち上がりました。

●ノボルとケイタは、一緒に登校したり、一緒に怒られたり、一緒に泥棒を捕まえたりしていく中で、ノボルはケイタの心の傷を知り、ケイタはノボルの心の悲しみを知ります。目の前にある些細な日常の大切さを教えてくれるだけでなく、ちょっとしたことでねじれてしまった心のすれ違いに目をむける勇気を与えてくれます。

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