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> がむしゃら落語
タイトル | がむしゃら落語 | |
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著者 | 赤羽 じゅんこ(作) きむら よしお(画) | |
出版社 | 福音館書店 | |
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「さて、ここで特技発表会のことを決めたいと思います」担任の吉沢先生が、そう言ってクラスを見まわした。特技発表会とは、校長先生の発案でおこなわれている、その名のとおり生徒の『特技を発表する会』だ。先生のひとことに教室は静まりかえった。誰もでたくなどないだ。すると、いじめっこの田んぼトリオの一人、森田がぼくのほうをニヤッと見て、言った。「委員長の岡本雄馬くんが、落語がうまいそうです。落語のおじさんがいて、習っているって聞きました。だから、岡本くんを推薦します」教室中がざわめき、みんなの目がいっせいにぼくを見た。ぼくはあわてて首をふった。いや、首だけでなく、体全体でいやいやをした。しかし、クラスの雰囲気は、ぼくをかつぎだすほうへと一気にかたむいていく。(絶対いやです。できません。)そう言い張れればよかった。なのに……。「なら、いちおう……考えてみます」ぼくは蚊の鳴くような声でそう言ってしまった。 ●勉強はできるけど、何事にも弱気で逃げ腰なクラスの委員長が、落語に挑戦する物語です。きっかけは、クラスのいじめっこが恥をかかそうと、特技発表会へ指名したからでした。初めは挑戦せずに、ムリだと決めつけ、発表会への参加を辞退しようとします。しかし、クラスメートであり、女子のリーダー格で気の強い早川さんの後押しもあり、初めて自分の殻を自分で破ろうと奮闘していきます。 |