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5年生の今月の本


十四歳日和 タイトル 十四歳日和
著者 水野 瑠見
出版社 講談社
 

〇ボーダレスガール(佐古葉子)
話しかけなきゃ。手をふらなきゃ。「しおり!」って、笑顔で呼びかけるだけでいい。そうしたら、しおりはほっとした顔になって、手をふり返してくれるだろう――。
そう分かっていたのに、いざとなると、私はしおりに声をかけることができなかった。いたたまれなくて、後ろめたい。罪悪感はいつだってあったのに、いつしか私は、しおりの教室の前を足早に横切るようになっていた。
理由はひとつ。しおりに話しかけることで、自分も「そっち側」だって他の子たちに思われるのが、私は、怖かったんだ。
「日向」と「日陰」の境界線――それが、私たちをくっきりと分ける。

★小学校のころ、親友だった「葉子」と「しおり」は中学校進学をきっかけに距離ができてしまう。きっかけは、葉子の変化だった。中学進学前に美容院で髪を切り、メガネからコンタクトレンズにかえたことで、すっきりとあか抜けた女の子になった。雰囲気が変わった葉子にしおりは戸惑い、クラスが離れたこともあり、次第にお互いの距離が開いていった。中2で同じクラスになっても、その距離は埋まらずにいたが、体育祭の役割分担で「応援旗」を作る係りを一緒にやることになる。

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