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> ぼくらは世界一の名コンビ
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タイトル | ぼくらは世界一の名コンビ |
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著者 | ロアルド・ダール/作 小野 章/訳 | |
出版社 | 評論社 | |
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――父さんの話は、何の話でも、とてもおもしろい。父さんは、本当の田舎の人だ。野原、小川、森、そしてそこで生きている生きものたちは、父さんの生活の一部なんだ。 ――もう大分前の話だけど、父さんは森の木、野の花や草の名前をみんな教えてくれた。鳥の名前もだ。ぼくは鳥の姿を見ただけではなく、鳥の声を聞いただけでも、その鳥の名前をいうことができる。―― ダニーのお母さんは、ダニーが生まれてまもなく病気で死んでしまいました。だからダニーの家族は父さんだけです。でも二人は大の仲良しでしたから、ダニーはどんな友だちといるよりも父さんと一緒にいるほうが好きでした。 二人の家はお風呂もトイレもない小さな箱馬車でしたが、馬車にあるベッドのなかで父さんがしてくれるいろいろな話を聞くのは、ダニーにとってなによりも楽しみなことの一つです。それから、家の周りには森と牧草地(ぼくそうち)と川しかありませんでしたがそんなことは気にもなりません。風向きの良い日には凧や軽気球をとばしたり、大きな樫(かし)の木の上に小屋を作ったり、父さんといるとダニーには退屈しているヒマがないくらい楽しいのです。 けれど、父さんにはダニーの知らない秘密がありました。なんと、父さんは密猟者(みつりょうしゃ)だったのです! 真夜中に他人の森に入って、こっそり獲物(えもの)のキジをとってくるというのです。ダニーは大好きな父さんが「どろぼうだった」と知ってがっくりします。それなのに、父さんは全然悪びれるようすもなくこう言うではありませんか。 そんなある夜、父さんが森にでかけたままいつまで待っても帰ってこなくなりました。ダニーはいてもたってもいられず真夜中の森へとかけ出すのですが……? 【 “密猟者”が“芸術家”だなんて、いったいどういうことなんでしょう。はじめはわからなかったダニーですが、だんだんと父さんの言う意味がわかってきます。そしてダニーと父さん、最高最強の名コンビが誕生したとき、森であっとおどろく出来事がはじまります。こんなお父さんがいたら! と思えるとても楽しい本です。ぜひ読んでみてくださいね。】 |