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タイトル | ボクの先生は山と川 |
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著者 | 矢口 高雄 | |
出版社 | 白水社 | |
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マンガシリーズ 『釣りキチ三平』 で知られる作者の矢口高雄さんが、少年時代をふりかえって書いた”夢と現実がいっぱいつまった”エッセイです。エッセイ第一作目 (『ボクの学校は山と川』) のテーマは、矢口さんが小・中学校時代に出会った二人の恩師をとおしてみた「学校生活」と、山里の「遊び」でした。 今回紹介するのはその第二弾、山村のくらしや家族のことにスポットをあてた作品です。 山里のくらし、というとなんとなくのんびりしたイメージがあるかもしれませんが、現実はとっても大変です。まだ日本全体が貧しかった時代、矢口さんの村も例外ではありませんでした。生活の基盤である「農業」にかかわる家族の苦労、四六時中働きづめのようなお母さんの苦労、おじいちゃんの苦労。もちろん友だちも苦労、先生も苦労……と、このお話に出てくる人たちはみんなものすごい苦労人ばかりです。でも、明るく元気いっぱいの主人公の目から見た村のくらしは、時に言いようもなくキラキラと光りかがやいて見えます。 ●おいしい”みちくさ” 春が近づき、雪どけした田んぼの、緑のあぜ道に生えたスカンポ(スイバ) がその代表格。スカンポは生でそのまま食べられるけれど、とってもスッパイ。でも食欲おうせいな少年たちにとって、太くて水気の多いスカンポは立派なごちそうです。家から持ってきた荒塩を、ちょっとまぶしてはシャリシャリシャリ。 ほかにおすすめの”みちくさ”は、イタドリ、山ツツジ、カゴ(桑の実)。カゴはぶどうに匹敵するほど甘いので、子どもたちの大好物。でも、とるのはちょっと大変で……。 ●吹雪ばんざい! もしかして……? 【 「農業」、「山村でのくらし」、それらについてぼんやりしたイメージしか浮かばないという人は、ぜひこの本を読んでみてください。家族、友だち、先生一人ひとりの思いや生きざまが愛情たっぷりに描かれた、一度よんだら忘れられない作品です。】 |