トップページ > 読書案内 >
5年生の今月の本 > 5年生におすすめの本
> 岳物語
タイトル | 岳物語 | |
---|---|---|
著者 | 椎名 誠 | |
出版社 | 集英社 | |
|
||
■「岳(がく)」は傍若無人(ぼうじゃくぶじん)でらんぼう者でそして元気な、かざらない少年である。小さいころからお父さん直伝(じきでん)のボクシングやら空手やらですっかりクラスのガキ大将になってしまった彼に、ある日とつぜんふりかかるとんだ「事件」とは……?(「アゲハチョウ」) ■昇と健二郎、ふたりの兄弟は岳の友だちだ。三人そろって坊主(ぼうず)あたまの彼らが並んで歩く姿は、マンガみたいでなんだかおかしい。兄弟にはお父さんがいないので、今は母親と三人暮らしをしている。そのお母さんの心配をよそに、三人はいつもやりたい放題だ。あるときは庭で泥まみれになり、あるときはイモ畑を掘りかえし、いつも大人たちが予想もつかないような「仕事」を、じつにたのしそうにやってのける。でも、そんな彼らも心のなかではふくざつな思いを抱えて生きていた……。(「きんもくせい」) ■岳が釣り(つり)に凝り(こり) はじめた。ふだんめったに行くことなどない本屋にいきなり行こうといって父親を連れ出し、「自分はいままで一度も本を買ってくれ、とねだったことがないからエバって言うけれどこの本を買ってくれ」などと言うのである。 家の方針で、小学校にいくまでは一切「家庭教育」をほどこさず「生(き)のまま」で入学した岳が、どうやらはじめて自分から学ぶことを知ったらしいのだ。ある日、父親がまったくじょうだんのつもりで言った、「多摩(たま)川に行くんなら鯰(なまず)をいっりょう釣ってきてくれよ」のひと言に岳はみごとに応えた。本当に40センチほどの鯰を釣って帰ってきたのだ。おまけに、「本を見て鯰の仕掛けをこしらえ、本を見て鯰のポイントを捜し(さがし)て釣ったんだ、ちゃんと飼えよなあ」 などといっぱしの釣り師のような顔をして言うのである。 そんな岳に、大物釣りのメッカ、三宅島での”シマアジ、ヒラマサ、石鯛”に挑むチャンスがやってきた。「少年の夢」やいかに……!(ムロアジ大作戦) 【 岳少年の活気にみちあふれた小学生時代の物語です。子どもではあっても、一人前の男として息子を見つめる作者の愛情あふれるまなざしが心にのこります。】 |