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5年生の今月の本


小学校は宇宙ステーション タイトル 小学校は宇宙ステーション
著者 山田 理加子
出版社 ポプラ社
 

 このごろ、うちのおばあちゃんの様子がおかしい。いつもなら朝の5時には起きているのに、最近は、10時ごろににならないと起きてこない。それに、なんだかぼーっとして、昼間でも夢をみているみたいな顔をしている。おばあちゃんは、真夜中になるといえをぬけだして、どこかへ出かけていた。

 夜中の3時ごろ、おばあちゃんがいないことに気づいたママは、大声でパパを起こした。ぼくも目をさまし、おばあちゃんをさがそうとしたそのとき、玄関のドアが静かに開き、小さな白髪頭がにゅっとのぞいた。おばあちゃんが帰ってきたのだ。パパとママにこってりとしぼられたおばあちゃんは、二度と夜中の散歩はしないと約束させられた。

 次の日、学校で同じクラスのイクミにゆうべの事件について話したら、イクミは急にけわしい表情をして、
「涼のおばあちゃんも?」
と、さけぶように言ったんだ。
「うちのおじいちゃんも、おんなじなの」

 ぼくたちは、おばあちゃん、おじいちゃんのあとをつけてみることにした。すると、なんとぼくのおばあちゃんと、イクミのおじいちゃんは、いっしょにおなじところに出かけていることがわかった。

 行き先は、町からはなれた丘の上にある、ぼくらの小学校。2人は、地下一階の給食室にいくためのエレベータのまえで、何かをまっていた。と、いきなりエレベータのドアがガーッとひらいた。いつもは何の変てつもない灰色の箱なのに、ドアの内がわが金色にかがやいている。おばちゃんとおじいちゃんは平気な様子で、そのエレベータにのりこんだ。目のまえで、エレベータのドアがとじようとしたとき、
「まってッ!」
と一声さけんだイクミは、すごい力でぼくのうでをつかんで、エレベータに突進(とっしん)した。

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