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> フレディ~世界でいちばんかしこいハムスター
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タイトル | フレディ~世界でいちばんかしこいハムスター |
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著者 | ディートロフ・ライヒェ | |
出版社 | 旺文社 | |
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ぼくはハムスターのフレディ。生まれたのは、ペットショップだ。……と言ってもだれもおどろかないだろうね。ハムスターは、ペットショップで生まれるのがふつうなんだから。ひいおばあちゃんは、ハムスターの神様に、前足をあわせて感謝しなければいけないよ、とよく言っていた。 ぼくの兄弟は十匹。生まれてすぐは、世界が真っ暗だった。目が開いてからやっと、自分がハムスターだってわかった。ぼくの兄弟もそうらしく、目が開いたとたん、つかみあいがはじまった。生物の先生ならきっと、それは遺伝 (いでん) 的なもので、順位あらそいをしているんだと説明してくれるだろう。でもぼくはそんなのはキライだったね。どっちかというと、静かに考えごとをしている方が好きだったんだ。 やがてぼくは決心した。ケージから出て、自由を手に入れるんだ。とりあえず、だれかに買われなきゃ。そのためには、ただ回し車を回していたんじゃダメだ。何か特別なことをしなければ。ぼくは店のすみにあるテレビをじっとながめた。テレビに映っている動物ビデオで、人間とつきあう方法を研究した。動物園のサルの群れやエサをもらうクマなんか、とくに参考になった。 いよいよ計画を実行に移すときがきた。ケージの前に店員といっしょに一人の男が立っていたのだ。仲間のハムスターは、キーキーわめいたり、でんぐりがえしをしたりけんめいに回し車を回したりしている。ぼくは練習したとおり、うしろ足で立ち上がった。芸をするときのクマみたいにね。どういうわけか、人間はそうすると喜ぶんだ。 【 「フレディ」 はドイツで出版された本ですが、今や各国で子どもたちの注目を集めています。自由になったフレディは、文字を覚え、人間とコミュニケートしようとします。でも、ちっちゃなフレディには文字を書くのは無理。でも、よい方法がありました。ほら、テレビのような画面の……。】 |