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5年生の今月の本


雨ふりマウス タイトル 雨ふりマウス
著者 竹下 文子
出版社 アリス館
 

 学校から帰ると、お客さんが来ていた。みどりいろの服を着た、ほっそりした女の人。知らない人だ。でもむこうはぼくのことを知っているみたい。
「ねえ、あの人、だれよ」
ぼくは台所にいって母さんにきいた。きょとんとする母さんを連れて居間にもどると、女の人は消えていた。あとには、細長いみどりの葉っぱが落ちているばかり。

 おかしなことは、それだけじゃなかった。ある雨の夜、ぼくが自分のへやにはいると、ベッドの上で何かがぐるぐると走りまわっていた。
「ねずみだっ!」

  三びきのねずみは、人間みたいにあと足で立って、三びきそろって前足を口にあて、くすくすっと声をたててわらった。まるで女の子みたいに。そして、朝起きると、やっぱり細長い葉っぱが一まい、落ちていたのだ。

 雨の午後、学校からの帰り道で、あのみどりいろの女の人にあった。名前はヤナギ・ミドリさん。ミドリさんは、あの三びきのねずみとなかよしなんだそうだ。
「雨ふりマウス、っていうのよ。雨が大好きなの」

【 字は大きいし、ひらがなが多いし、5年生が読むには少しおさない感じがするかもしれません。でも、リラックスしてすうっと読める本も、時にはいいものですよ。読み返してみるのもいいでしょう。】

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