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5年生の今月の本


夏の庭 -The Friends- タイトル 夏の庭 -The Friends-
著者 湯本 香樹実
出版社 新潮社
 

 山下のおばあさんが死んだ。でも、お葬式が終わって学校に出てきた山下は元気そうにしていた。ぼくには山下の気持ちがわからない。ぼくはお葬式に出たことがないし、ぼくのおじいさんは、ぼくが生まれる前に死んだ。だれかが死んだ時にどんな気持ちになるのかなんて、想像もつかなかった。山下からお葬式の話を聞いて、ぼくは、人が死んだらどうなるんだろうと不思議になった。

 ある日、河辺がぼくと山下を呼びだして、町外れに住んでいるひとり暮らしのおじいさんの話をし始めた。そのおじいさんは、もうじき死ぬんじゃないかとうわさされているという。ぼくも河辺も、死んだ人を見たことがなかった。ぼくたち3人は、そのおじいさんが死ぬところを見張ることになった。人が死んだらどうなるのか、確かめるために……。

 ぼくたちは、サッカーや塾と時間をやりくりしながら見張りをつづけた。そのうち、おじいさんがコンビニに行く頻度(ひんど)や買うものもわかってきた。

  おじいさんの家の玄関先には、出しそびれたゴミ袋がたくさん置いてある。いつも見張らせてもらっているかわりにゴミを出してあげようとしていた時、おじいさんが家から出てきて、ぼくたちのことがばれてしまった。ぼくたちがおじいさんを見張っている理由も、知られてしまった。

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