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5年生の今月の本


レベル21-アンジュさんの不思議(マジカル)ショップ- タイトル レベル21-アンジュさんの不思議(マジカル)ショップ-
著者 さとう まきこ
出版社 理論社
 

 六年生に進級したばかりの、春のおわり。「かったるい」瑠璃子(るりこ)はそんな気持ちだった。受験をせかされるけど、塾も学校も楽しくない。六年生になったって、わたしは何にもかわらないのに……。

  桜のはなびらも散ってしまった、そんなむし暑い午後、瑠璃子は家にかえりたくなくて、いつもの曲がり角をまがらずにまっすぐ歩いてみた。

  すると、ふしぎなお店が目にとまった。古い家具や置物、それからたくさんの人形たちが並べられた、うすぐらくてすずしげに見える室内。窓ガラスには金色の文字で『レベル21』と――。
「こんなところに、こんなお店、あったっけ……?」

  中にはいってみたい、という気持ちをおさえきれず、瑠璃子は『レベル21』のとびらを開けた。

 中にいたのは、白い肌とアーモンド型の目がとてもいんしょうてきな、アンジュさんという女の人。アンジュさんは瑠璃子に、銀のスプーンをさしだした。

  人形用にしては大きいし、ふつうに使うにしてはあまりに小さすぎる、そのスプーンの持ち手には、「R.A. 1980,12.23」と刻まれていた。
「私のイニシアルと生年月日……」
瑠璃子は不信に思いながらも、言われるままにスプーンをくわえてみる。すると――
「だれでもみんな、銀のスプーンをくわえてうまれてくるのよ。そしてそれをみがくのは、自分自身」
そういってほほえむアンジュさんは、お店の人形や絵、いろんなふるいものたちが持つ物語をやさしく語ってくれる。まるで瑠璃子が来る日をわかっているみたいに、ききたいことを知っているみたいに……。

【  アンジュさんってもしかして、魔法つかいなんじゃないかしら? そんなふうに思いはじめた瑠璃子のまわりで、今日もふしぎなできごとが次々に起こるのです――。】

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