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5年生の今月の本


算数病院事件 タイトル 算数病院事件
著者 後藤 竜二
出版社 日本出版社
 

 いっぱいにあけはなされた5年3組のまどで、水色のまるい風鈴(ふうりん)がすんだ音をひびかせた。黒板の前では、白いワンピース姿のとも子先生が、算数の応用問題のときかたを熱心に説明しているのに、鉄二はうわの空でちっとも聞いていない。鉄二のあたまの中は、もうすぐはじまる夏休みのことでいっぱいだった。

 そのときだ。「はい!」 うしろの方で声がした。服部(はっとり)くんだった。服部くんは、なれたようすで黒板のまえにたち、ぐるりとみんなをみまわしていった。

「あとで、算数病院にいれてくれ、なんていってきてもしりませんよ、いいですね。」
いいですね、と服部くんはとくに鉄二のほうをみて念(ねん)をおした。

“算数病院”というのは、とも子先生が発明した病院で、クラスのみんなが算数のできる子になろう、という目的でつくられた。 院長はとも子先生で、服部くんと由季ちゃんが医者だ。

  水曜と金曜の放課後30分、わからない子はこの病院に入院する。といっても、患者になる生徒はいつもたいてい決まっていて、鉄二もその一人だった。

 放課後の算数病院で、医者の服部くんはうんざりしたように顔をしかめた。
「またきみたちか。何度も、いってるじゃないか。予習復習をきちんとやって、授業時間には、よそ見なんかしないで――。」

【 このあと、算数病院で事件がおこります。服部くんと鉄二はどうなるのか? ぜひ読んでみてください。】

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