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5年生の今月の本


かくれ山の冒険 タイトル かくれ山の冒険
著者 富安 陽子
出版社 PHP研究所
 

 ドッジボールをしていた尚(なお)が、
「ナアッーオォ」
と鳴く黒い猫(ねこ)にさそわれて、空き地を取り囲む小さな林に入ったことから、物語が始まります。尚が林に入ったとたん、空き地は消えてなくなり、あたりはみたこともない古い大きな森に変わっていました。黒い猫の鳴き声を追い、暗い森の中に分け入っていくと、小さな光が見えてきました。

  たどり着いたのは、一軒(いっけん)の大きな家。尚が玄関の前に立つと、音もなくドアの扉(とびら)が開き、その奥には黒いドレスの女の人が立っていました。
「さあどうぞ。おはいりなさい」
家の中には八匹の猫がいましたが、尚が探している猫は見あたりません。先に立って部屋に案内する女の人の後ろ姿をみているうちに、女の人が足音をたてないことに気づきました。

「この人って、まるで猫みたいだ……」

  いよいよそこから、尚が想像もしていなかった大冒険が始まります。この大きな屋敷(やしき)に住む女の人は、化け猫で、これまでたくさんの子どもたちを猫に変え、屋敷にとじこめ、ネズミをとる手伝(てつだ)いをさせていたのです。尚もすんでのところで猫にされるところでした。

 猫にされた少女に、化け猫ののろいを解いてほしいと頼(たの)まれるのですが、そのためには、おそろしい山姥(やまんば)からのろいを解く方法を聞き出したり、天狗の隠(かく)れ蓑(みの)を手に入れたり、赤鬼のもつ剣(つるぎ)を手に入れたりしなければなりません。そして、あの化け猫と最後には対決しなければならないのです。果たして、そんなすごいことが尚にできるのでしょうか。ひょんなことから知り合った、化け猫の餌食(えじき)にされていたネズミたちの応援(おうえん)を受けながら、尚は知恵と勇気で次々に難題を突破(とっぱ)していきます。

【 富安さんは、日本に伝わる伝説をモチーフにした楽しく夢のある本をたくさん書いています。読書のとくいでない人も、あっという間に読めますよ!】

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