トップページ > 読書案内 >  5年生の今月の本 > 5年生におすすめの本
 > キャプテンはつらいぜ

5年生の今月の本


キャプテンはつらいぜ タイトル キャプテンはつらいぜ
著者 後藤 竜二
出版社 講談社青い鳥文庫
 

ぼくは、町内会の少年野球チーム「ブラック=キャット」の四番。万年ビリのこのチームを、ある日とんでもない災難(さいなん)がおそった。

  六年生でキャプテンの岸さんが、
「もう、おまえらにはうんざりだ」
と言ってやめてしまったのだ。どうやら、リトルリーグに行くらしい。やる気のない六年生たちの無責任なことばに、ぼくはカッとなり、
「やめたいやつは、やめりゃいいんだ。ブラック=キャットはおれたちが続けていくよ!」
とどなってしまう。

  新しいキャプテンに、ぼくはピッチャーの吉野くんをすいせんした。 ところが、なぜか吉野くんは怒(おこ)ってことわり、ぼくがキャプテンを引きうけるはめになる。

 よし、じゃあキャプテンとして、チームをしっかりまとめていこう――ぼくがメンバーのポジションや打順を考えていると、吉野くんから電話が……。いやな予感は的中した。吉野くんまで、「ブラック=キャット」をやめると言うのだ。 残ったメンバーは、補欠(ほけつ)にもなりそうにない四年生たちを入れても8人。どこかからピッチャーを見つけてこなければ、そもそも野球が成立しない。

「これ、ピッチャー候補のリスト? どうして秀治(ひでじ)くんがぬけてるのよ!」
――世話好きな同級生、ハーコに言われ、ぼくは考えこんだ。

  秀治はぼくの友だちだった。だが、悪い仲間とつきあうようになって、万引きをしたり、学校をサボったりしている秀治と、ぼくは最近つきあっていない。でも、不良をチームの中心にすえてもいいのだろうか。 しかも秀治には、ケンという不良仲間がいて、練習についてくる。ぼくたちとの間には、まだ何となく気づまりなものがあった。

 秀治をピッチャーにむかえたブラック=キャットに、練習試合の話がきた。女の子がピッチャーをしている、できたばかりのチームだ。こてんぱんにやっつけるつもりが逆に大差で負けてしまい、秀治はマウンドにグローブをたたきつけた。
「こんなぼろチーム、やめてやらあ!」
――さあ、キャプテン、どうする?

【 解散寸前の弱小チームが、キャプテンの意地と周囲の大人たちの励(はげ)ましでとりあえず危機(きき)をひとつ乗り越(こ)えました。「キャプテンシリーズ」、続く2作もぜひ読んでみてください。 】

Page Top