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> とんばら村からワチニンコ
タイトル | とんばら村からワチニンコ | |
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著者 | 吉本 直志郎 | |
出版社 | 講談社青い鳥文庫 | |
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頓原(とんばら)村は、山の中にある人口1,001人の小さな村だ。その頓原小学校の笹賀(ささが)分校に通っている健太郎(けんたろう)たち上笹賀の11人は、特に仲がいい。 5年生の健太郎は、あるとき、町のつり道具屋で、振(ふ)り出しざおというものをはじめて見た。のばすと背たけの3倍にもなって、たたむと30センチくらいにおさまる魔法みたいなさおだ。こんなさお、笹賀の子はだれも持っとらん。ええなあ。健太郎はさっそく父ちゃんにねだった。 「それならみんなで金をかせいで買(こ)うたらどうじゃ」 そこへ、ひとりだけ太郎淵(たろうふち)でねばっていた6年生の勝彦(かつひこ)が顔色を変えてもどってきた。 【 頓原町という実在の地名が島根県にあります。この作者は広島育ちですし、村の子どもたちも「広島弁(べん)っぽい」言葉を話すので、舞台(ぶたい)はそこか、とつい思いますが、頓原村は架空(かくう)の村です。村にはなぜか縁起(えんぎ)の悪い人がいたり、トホホな事件(じけん)が起こったりもしますが、それも楽しい風景の一つです。何よりいいのは、村のおとなが、言葉づかいは乱暴(らんぼう)でも、温かく説得力のある存在(そんざい)として描(えが)かれていること。ひと夏、頓原村に帰ってみたいです。なお、この本は、現在書店では手に入りにくくなっています。図書館で借りて読んでください。 】 |