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タイトル | クリスマスの猫 | |
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著者 | ロバート・ウェストール | |
出版社 | 徳間書店 | |
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1934年のイギリス、第二次世界大戦の足音はまだとおく、教区牧師 (きょうくぼくし) が威厳 (いげん) に満ちたたいどで街の人たちを恐れさせていたあのころ、あたし、キャロラインはまだ11才だった。どうして牧師がこわがられるのかって? それは、「自分たちの『罪』のことを考えずにはいられなくなる」 からよ。自分たちが腹黒くって無能(むのう)だって思わずにいられなくなるから。 でも、そんな牧師さんのところであたしはクリスマスをすごさなくちゃいけなくなったの。なぜって、その年は両親が外国に行ってしまったし、そのサイモン牧師はあたしのおじさんだったから。 牧師館での生活はひどいものだったわ。おじさんは気弱で、性悪(しょうわる)な家政婦(かせいふ)ミセス・ブリンドリーのいいなり。これで人々にこわがられてるなんてね。ミセス・ブリンドリーの料理は油こくてしつこくて、ほんとにひどかったわ。だだっぴろい牧師館のなかはこごえるほど寒かったし、朝になるとミセス・ブリンドリーはすぐさまあたしをベッドから引きはがしにやってきた。さいしょの3日間、あたしはとにかくみじめな気持ちだったの。 ある日、牧師館の周りの森で、あたしの耳に松ぼっくりがあたった。自然に落ちてきたものじゃないの、それを落としたのはいたずら好きの男の子。もちろんあたしは反撃 (はんげき) したわ。一番ぬれてて重そうな松ぼっくりを、ヒイラギの木でゆれるあやしいかげに思いっきりぶつけてやった。そしたら落っこちてきたの……ボビーがね。 【 牧師館で知りあったキャロラインとボビー。やがておとずれたクリスマスの夜に、忘れられない 「奇跡 (きせき) 」 が始まります。女の子はもちろん、男の子にもおすすめの作品です。さいごにあっと驚く結末が待っています。】 |